令和時代の教育とは
2020.02.17
子育てに奮闘中のディレクターTです。
昨日までできなかったことが今日出来た!
昨日まで言えなかった単語を突然発した!という感じで
シナプス出まくりで日々アップデートされていく息子を見ていると
もう「可能性のかたまり!」とワクワクします。
そして同時にそんな子どもだちがワクワクする未来を
私たち大人も作っていきたいなと。
そんな中、国内で気になるニュースがありました。
令和元年12月、「令和5年度までに、全学年の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指す」と閣議決定されたとのこと。
第13回会議資料:会議結果 令和元年(内閣府)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1205/agenda.html
安心と成長の未来を拓く総合経済対策(令和元年12月5日閣議決定)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1205/20191205_taisaku.pdf
GIGAスクール構想の実現について(文部科学省)
※ GIGA = Global and Innovation Gateway for All
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm
「ICT 環境の整備は手段であり目的ではないということです。子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要です。」(文部科学大臣からのメッセージより)
今までICT教育の整備に地域格差があることも課題だったようですが、
今回の決定でそれが是正されるべく第一歩を踏み出したということですね。
とはいえ普及には自治体の動きや、実際の指導案を練る現場の先生のリテラシーにも影響されそうで、
いろいろ課題は多そう…。
また、同時期にこんなニュースもありました。
日本の15歳「読解力」15位に後退 デジタル活用進まず(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52905290T01C19A2CC1000/
OECDのシュライヒャー教育・スキル局長は「日本の生徒はデジタル時代の複雑な文章を読むのに慣れていない」とみる。
「デジタル時代の複雑な文章」?!
上記のテスト、気になって探してみたところ2018年ものでしたが、このようなものでした。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/04_example.pdf
ふむふむ、なるほど…。
しいて言えば、タブを切り替えて、複数の文章を横断的に読み、
選択肢をドラッグドロップして回答するという部分がデジタルならではの操作でしょうか。
そもそもPCで長文を読むこと自体に抵抗がある生徒もいるかもしれませんし
LINEやTwitterなどの短い文章に慣れていると
活字には触れているといえども、アカデミックな長文を
紙以外の媒体で読むことに苦手意識が出るかもしれません。
それにしても読解力を妨げるほどまでにPCに慣れていないとは…。
ちなみに、数年前の話ですが、学生からの質問で
「日々更新される技術を調査する際、何を参考にしているのですか?」
と問われ、「ネットで調べます。」と答えると
学生は「自分は雑誌や書籍を見ています。先生からも言われているので。」
と少し戸惑った様子でした。
教育の現場には、どこか根強く紙の信仰があるのだなあと思ったエピソードです。
紙かデジタルかというのは2者択一ではなく、あくまで選択肢であり、
今後AIが普及し人間の価値を改めて考えさせられるような
そんな時代に、世の中を変えていく、創造していく術としてPCは最低限必須でしょう。
最新の情報はもちろん、文献も電子化され、ネットから情報収集し、
海外からの一次ソースをたどる必要も出てくるでしょう。
一人1台とその予算について、一部賛否両論あるようですが、
今回の閣議決定と教育環境の変化が、教育現場の効率化だけでなく、
本当に子どもにとって意味のある教育になることを願います。
そして、自分自身も家庭において子どもとデジタルの接し方を少し踏み込んで
考えてみたいと思います。
最後に、昨年の夏の思い出の話で締めくくりたいと思います。
「魔法の美術館」という体験型の美術展に息子と行ってきました。
魔法の美術館(チラシ)
https://www.city.niigata.lg.jp/nam/exhibitions/fy2019exh/mahou2019.files/leaf_mahou2019.pdf
展示には壁面にアゲハチョウなどが映し出され、その前を通ると
変化するような大型のインスタレーションもあったのですが、
息子はその前を右往左往しましたが、すぐに飽きて、廊下へ飛び出してしまいました。
とはいえ、何か刺激になったかなと思いつつ、
美術館を後にすると、美術館の外庭にモンシロチョウのつがいが
ひらひら飛んでいました。
するとその様子に息子はすっかり心奪われ夢中になって飛びつき、
「チョウチョ!チョウチョ!」
館内の展示よりも、大興奮だった…というオチでした。
デジタルがまだ目新しくて、ワクワクしているのはもしかしたらアナログ世代の私たちだけで、
デジタルネイティブのこの子たちにとってそれが当たり前になるとまた別な感性を持つかもしれない。
そんな世代がどんな未来を創っていくのか、これからが楽しみです。
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